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31 由家[sage]2005/12/15(木) 15:06:41 ID:7EznH9U+0
机に刻まれた細かい傷をなんとなく数えながら、ため息を吐く。
どうしよう。
正直、ここまでの好条件など俺の人生の中で数えるほどしかありはしないはずだ。
藍のような可愛い女の子がそこまで言ってくれているのだ。受け入れる事になんの不都合があるだろう?
だというのに、ここにきて俺はその告白に戸惑っている。

(あー……自己嫌悪だな)

ぶっちゃけた話が、覚悟がまるで出来てなかったということだ。
VIPで報告やアンカーをして勇者気取っていい気になって、肝心なところでの心構えがちっともなっちゃいない。
今朝、藍は俺のことを迎えには現れず、昨夜から今まで会ってない。
これは、あいつなりに俺の返事を待っているという事なのだろう。
それなら、俺は出来るだけ早くそれに答えなければならない。

キーンコーン

授業終了のチャイムが鳴り、俺の足は廊下へと向かっていた。

32 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]2005/12/15(木) 15:18:47 ID:tcplqocUO
悩ましいなww

33 由家[sage]2005/12/15(木) 15:18:56 ID:7EznH9U+0
http://pds.exblog.jp/pds/1/200512%2F12%2F00%2Fc0023600%5F012152%2Ejpg
「……それで、なんで由家さんは私のところへ来るんでしょう」
「すまん、おらに勇気を分けてくれ……」

神様ごめんなさい、俺超小心者ですorz
テスト明けの午前授業が全て終わり、無人となった教室に俺と藍夏はいた。
こっちも急ぎ足で教室を回っていったが、藍夏が残って課題をしていてくれて助かった。

「そもそも、そういった相談事を私にすること自体おかしいとは思わないのですか?」
「思う。ついでにこんな事を君に相談してる自分がとても器の小さい男だということも思った」
「いいとこなしですね」
「面目ない……」

話しながら、藍夏は無表情にレポートへシャーペンを走らせる。

34 由家[sage]2005/12/15(木) 15:23:32 ID:7EznH9U+0
http://blog7.fc2.com/h/haijin/file/20051215152159.jpg
画像貼り直しwwwスマソwwwww

35 由家[sage]2005/12/15(木) 15:36:52 ID:7EznH9U+0
「それで、いったい先輩は何がしたいんでしょう? ただ相談に乗って欲しいだけでは対応の仕様がありません」
「そうだな、相談というよりは、どちらかといえば後押しが欲しい」
「後押し、ですか」

消しゴムで間違った箇所をグシグシと消しながら、藍夏は相変わらず抑揚の無い声で返事をする。

「ああ、それと出来ればこういうのはマズイとか、そんな感じのアドバイスなんかも」
「……思っていたよりも前向きに見えますが、先輩は姉さんに結局どんな返事をするつもりなんですか?」

さっきまでと変わらない、しかし微妙に真剣味の込められた問いに苦笑して答える。

「情けないんだけど、現状維持ってとこかな」

36 由家[sage]2005/12/15(木) 15:50:34 ID:7EznH9U+0
「そうですか」

無人の教室に、レポートにシャーペンを走らせる音だけが響く。

「俺自身、全然覚悟が足りてないんだ。それでも藍は傍に置いときたい。だから、ここはあいつの言葉に甘える事にする」
「…………」

無言でこちらを見つめてくる藍夏。やっぱ普通はそうだよなぁ……。

「それで? 何が言いたいんですか」

わずかに細めた切れ長の目が、言葉の続きを促す。
俺はそれに応えるために、目の前の少女に真っ直ぐ見据える。

「ああ、だから、君から何か言いたい事があれば、遠慮なくなんでも言って欲しい」

37 由家[sage]2005/12/15(木) 16:07:48 ID:7EznH9U+0
「随分回りくどい言い方でしたが、ようは先輩が姉さんをキープするからそれについて文句を言え、と」
「……物凄い直球な言い回しだけど、まあその通りだ」

どうあれ、藍夏はこっちの言いたいことをちゃんと理解してくれたみたいだし。
ちゃっちゃと叱咤なり洗礼なり受けようじゃないか。

「特にありません」

あっさりと。
ビルの屋上から人ごみを見るような無感動さで、藍夏はそう言った。

「……まじ?」
「ええ、そもそも姉のやることにいちいち口を挟むほど私もお節介ではありませんし」

それに、と加え、

「その条件でも、姉さんにしてみればおそらく大喜びでしょう。……それよりも先輩、私からも一つ相談事があるのですが」
「ん? あ、ああ……なに?」
「ここの問題を教えて欲しいのですが。どうにも、先ほどから行き詰っていまして……」

38 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]2005/12/15(木) 16:08:38 ID:tcplqocUO
|ω・)wktkwktk


39 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]2005/12/15(木) 16:11:22 ID:hsrc/RIMO
|・ω・)その問題が保健体育のなんだな!


|・ω・)なんでもないです

40 由家[sage]2005/12/15(木) 16:15:34 ID:7EznH9U+0
ああ、それはもう、
さっきよりも大分真剣な顔で、藍夏は目の前の問題に頭を悩ませていた。

「…………」
「先輩? 早く教えて欲しいのですが」
「ぁ、ああ、わかった、けど」

この少女の中では、どこの誰とも知れない男に姉がキープされるよりも、レポートの問い1のほうが大事だというのか……!
あんまりといえばあんまりな展開に軽く眩暈を覚えつつ、俺は藍夏のレポートに目を向ける。

(せっかくビンタされるくらいの覚悟は決めてきたのになぁ……)

「ご協力感謝します」

藍夏は、これまたさっきまで一度も見せなかった微笑みで、俺の方へ問題を見せてきた。


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